前田ビバリー
張り子職人・前田ビバリー




11月は、酉の市という市が全国の寺社で開かれる季節だ。


11月の酉の日(5日、17日、29日)に、商売繁盛や幸福を招くとされるアイテム「縁起熊手」を販売する店が寺社に並ぶことでも知られる酉の市。熊手は露天商の店員による手締めの威勢のよい音とともに、季節を表す風物詩になっている。



そんな熊手の世界に新しい風を吹き込むのが、張り子職人の前田ビバリーだ。





熊手
前田ビバリーによる熊手





前田は映像製作などの仕事をしている会社員をしたのち、張り子作りのアーティストとして活動。活動のなかで、長野でしめ縄や熊手を作る職人に出会う。露天で熊手が売られているところもそれほど見たことがないなか、作られたフォルムに関心をいだき、張り子作りの延長で熊手を作ってみたくなる。



熊手の種類を数多くみてきたわけではない、専門家ではない前田ならではの表現力がそこから開花した。女性たちの心をつかむ独自の熊手作品がセレクトショップ「縷縷(るる)」のオーナー小田真琴の目に留まる。



「もともと張り子には興味を持っていました。人づてに前田ビバリーさんのことを知り、
伝統のもので、前田さんのような若い世代のフィルターを通した新しいエッセンスの入った張り子を扱わせて欲しいと思いました。」
と、「縷縷」の小田は語る。




そんななか「縷縷」の告知で前田ビバリーによる「自分で熊手を作ってみる」ワークショップが開かれた。





前田ビバリー
熊手に使うしめ縄の製作を実演する前田ビバリー





10月の土曜日の昼下がり、都内のギャラリー「(PLACE) by method」で、女性を中心とする15名が集い、4時間を超える熊手作りに熱くなっていた。




このワークショップは参加費が6,000円という設定で、告知から9日で定員分が完売するという人気ぶりだった。




前田ビバリーの熊手
熊手に使う張り子の亀などのアイテムも独特の雰囲気




美大を卒業したという20代の会社員は「普段はディスプレイに向かってデザインの仕事をしているので、こうした手を使った機会をとても求めていた」と話し、絵筆をとって熱心に張り子の絵付けをしていた。




ふだん絵筆をとる機会のない参加者たちも、熊手の顔となる張り子の絵付けはもっとも集中する雰囲気で、静かな時間がギャラリーに続いた。





熊手作り




 
前例にとらわれず、古くから農地に伝わる熊手という縁起のよいアイテムを自分で作って楽しむというスタイルに人が集う。農閑期の姿としては先祖還りをしたとも言える。





熊手
張り子をしめ縄のついた熊手にとりつけて完成




セレクトショップ
縷縷(るる) 
http://luluweb.com/

前田ビバリー インスタグラム
https://instagram.com/maedabeverly/