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佐藤果林

佐藤果林

 

日本画の世界というと、「伝統的」「絵の具が高い」「難しそう」といったイメージが先行し、なかなか気軽に楽しめないのではないか、という声をよく聞く。

 

展覧会の企画なども西洋画のものに比べると小規模であったり、企画があったとしても有名日本画家といった名前に引き寄せられる観客が多いのが現状だ。

 

そんななか、日本画家の佐藤果林(かりん)は「私の日本画は、生活を豊かにするものでありたいし、オシャレを楽しむ感覚で楽しんでほしいです。インテリアとか、ファッションとか、そういったものです。」と語る。

 

2016年9月5日(月)から9月30日(金)までSCOPP CAFE(東京都新宿区)で行われている「佐藤果林 個展」では、自身の日本画作品約10点が展示されている。カフェの一部がギャラリーになっていて、会期3日目の平日のランチライムに訪れると、20代女性が誕生日サプライズパーティーをしているわきに佐藤の日本画が自然に並んでいた。

 

佐藤果林
SCOPP CAFEのある日のランチタイム

 

このSCOPP CAFE、ビルの地下にあるカフェの一部をギャラリーにして作家の作品を展示しているのだが、作家からの展示希望は2年待ちだという。佐藤はいま東京藝術大学絵画科日本画専攻4年生。2年生の時から希望を出して展示の日を待ち続けた。

 

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「佐藤果林 個展」で自身の作品とともに


今回の個展で展示されている作品群について、佐藤は「風景と模様 古典とモダン 写実と抽象 対極したものが重なる隙間を探して描いています」と語る。

 

絵のなかに線が見えるが、まず画材を20層にも塗り、すじを作ってタイル表現をしている。立体作品と言ってもいい厚みだ。「物質的に強くしたいという想いからこのような表現をしてみました」と佐藤自身はとらえ、 会場であるカフェの壁や地下という少し圧迫感のある場所に負けない作品の存在感を出した。

 

佐藤果林
佐藤の作品のそばでバースデー会が行われていた

 

迫力ある作品群だが、創作の過程ではソーシャルメディアを介したいまどきな出会いもあった。

 

作品が完成し、佐藤が作品を写真に撮りツイッターにアップしたところ、フォロワーの一人がウェブでプリント和服を受注するサービスなどをしている会社「ゴフクヤサン・ドットコム」(大阪府大阪市) http://sitateyasan.chicappa.jp/gofukuyasan/ に「この絵で浴衣を作りたい」とこっそり依頼。佐藤のもとにサプライズで届くということがあった。

 

佐藤が撮った写真をフォロワーの一人がサービス会社に送ると、1時間後にはプリント浴衣のイメージが出来、佐藤の手元にもほどなくして届いたという。

 

描いたばかりの自分の日本画がソーシャルメディアを通して浴衣になったのだ。

 

佐藤果林
届いてすぐ袖を通した佐藤(本人所蔵写真)

 

ソーシャルメディアを軽やかに駆使し、日本画の伝統を守りつつ新たな風を送る佐藤果林。いま4年生ということで、進路は…?



「藝大の大学院に進みたいと思っています。まさに明日までに卒業制作をどんなテーマにするか決めるところです。もちろん日本画家として活動しますが、これからどんな活動になるか、学科もどこに進むことになるか…うふふ」

 

確固とした画風を持ちながらも、ソーシャルメディアやいまどきの風を感じながら、インテリアやファッションに合った日本画を目指し続ける佐藤。オシャレを楽しむような日本画のそばにはバースデーパーティーが似合い、シチュエーションはカフェがしっくりきて、なにかが起きそうな気配がする。「恋が生まれる日本画」とも言える新しい世界に期待したい。


 
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会場は新宿のビル地下1階



佐藤果林 個展 
2016年9月5日(月)〜9月30日(金)
SCOPP CAFE
東京都新宿区新宿2-5-11 甲州屋ビルB1F
12:00-24:00(月〜土)
12:00-22:00(日)



佐藤の展示は、このあとグループ展など続く。

KENZAN2016
2016年9月17日(土)〜9月19日(月/祝)
二子玉川 ARENA HALL & SALOON
東京都世田谷区玉川3-17-1
10:00-20:00
10:00-17:00(9月19日)


グループ展 遊美2016
2016年9月20日(火)〜9月25日(日)
Gallery & Space しあん
東京都台東区東上野1-3-2
12:00-18:00
12:00-17:00(9月25日) 


佐藤果林(さとうかりん)
1992年 埼玉県生まれ
2016年 東京藝術大学絵画科日本画専攻4年

佐藤果林ツイッター
https://twitter.com/karin_twi

佐藤果林インスタグラム
https://instagram.com/karinsato.jp/




 

 

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2016年6月17日、創業265年で日本最古の日本画絵具専門店である上羽絵惣株式会社は、2013年の発売以来、京都限定販売していた胡粉(ごふん)石鹸をリニューアルし、全国発売した。

胡粉石鹸は、 創業当時から同社が扱っている天然顔料「胡粉」(ごふん/ほたて貝殻の微粉末)のよさを活かした「胡粉ネイル」に続く商品として、京都の石鹸専門店「京都しゃぼんや」と共同開発し2013年3月に京都限定商品として発売したもの。

同製品は100%天然・天然由来&オーガニックにこだわり、発泡剤・着色料・防腐剤などを一切使わない無添加手作りだ。胡粉の成分が肌を傷つけず余分な皮脂や汚れを落とし、天然オイルが洗い上がりのしっとりしたなめらかな肌へ導く。

原料へのこだわり、製法、使い心地はそのままに、より買いやすい価格に改定し全国発売している。

商品詳細

石鹸の主成分となるオイルは良質のオーガニック植物油を使用、 10種類以上の油脂を組み合わせている。さらに香りにもこだわり、京都産ヒノキ精油をベースに天然香料のみを使用。毛穴の汚れやくすみを落とす胡粉を使い、胡粉の特長を引き出す真珠パウダーを加えている。油脂の良い成分を壊さないよう低温でじっくり3ヶ月かけて手作りしている。

商品概要

商品名 京の手作り洗顔石鹸UEK

発売日 2016年6月17日

標準重量 90g

価格 1,800円(税込)

取扱店舗 自社店頭・ウェブサイト、全国の胡粉ネイル販売店(一部除く)

 

上羽絵惣 (うえばえそう) 株式会社とは

1751年(宝暦元年)京都の東洞院松原上ルで初代ゑのぐや惣兵衛が創業した。白狐印で有名な日本最古の日本画用絵具専門店。岩絵具、泥絵具をはじめ700点もの画材商品を販売。

 

胡粉ネイル

上羽絵惣株式会社が2010年1月に発売開始した。原料の一部に日本画の顔料である胡粉(ホタテ貝殻の微粉末)を使用し、従来のマニキュアや除光液に含まれる有機溶剤を使わず作った水性ネイル。

 

店舗情報

京都本店

営業時間 9:00~17:00

定休日 土曜日、 日曜日、 祝日

〒600-8401 京都市下京区燈籠町579

沖縄店

営業時間 14:00~19:00

定休日 火曜日、 水曜日

〒900-0013 沖縄県那覇市牧志2-3-1

http://www.ueba.co.jp

 

■関連製品

 

山﨑鈴子 山崎鈴子
東美アートフェアにて  新作と日本画家の山﨑鈴子




東京美術商協同組合、という団体がある。画廊やギャラリーといった「美術商」が加盟する団体だ。


2015年10月16日(金)〜10月18日(日)の3日間、東京美術倶楽部(東京都港区)というビルで、加盟の美術商による展示会「東美アートフェア」が開催されている。


100軒に及ぶ画廊・ギャラリーが小間を出展し、所属作家などの自慢の新作や秘蔵品を展示。開始の午前10時から、「買うための」最新のアートを探す熱気につつまれている。


「美術商と客」というと、じっと難しそうな顔して座って客を待ち構える美術商、客も審美眼の鋭いうるさがた…というイメージを持つ人もいるかもしれない。


今回のアートフェアで目立つのは、中国・台湾・韓国からの来場客だ。古美術や絵画、茶道具といった日本のアートに世界の注目が集まるなか、 作品について下調べしたであろう紙をにぎりしめて作品を選んでいる姿が目立つ。銀座8丁目で洋服を選ぶように、美術品を見定めている目はキラキラと輝いていた。


ギャラリーの「新生堂」(東京都港区)の展示は、若手が中心だ。


日本画家の千住博によって組織された若手の展覧会「グループホライゾン」の展示がされている。日本画を中心とした新しい発想の作品が並ぶ。


会場には、先日の新宿高島屋・美術画廊での展示も大好評だった山﨑鈴子(やまざきれいこ)の最新作が展示されている。


山﨑鈴子は2009年に、千住博が学長をつとめる京都造形芸術大学の美術工芸学科日本画コースを卒業。黒い闇のなかにたたずむ花など、黒い色を特徴的に描く作風で注目されている。


伝統の技法を駆使する日本画の世界といえど、黒をベースにした「ただきれいなだけはない」新しい世界を提示してくる山﨑鈴子の作品。今回の展示では上記の写真の通り、入手しやすいサイズのものになっている。


山﨑は日本画の技法についての説明なども簡潔明瞭に話す。「画家は黙って作品で語る」という時代から大きく変わりつつある空気が作品からも本人からも感じられる。日本画の世界がまた拡がりそうだ。


画廊やギャラリーというと、普段展覧会なで美術に触れている人でもなかなか入りにくいという印象はないだろうか。このアートフェアで東京を代表する美術商の展示やオーナーとの会話で「買える」アートの敷居を下げてみたい。




東京美術倶楽部



開催概要

2015東美アートフェア
会場
東京美術倶楽部 東美ミュージアム
東京都港区新橋6-19-15
2015年10月16日(金)10:00〜18:00
10月17日(土)10:00〜18:00
10月18日(日)10:00〜17:00

主催
東京美術商協同組合

入場料
一般 1,000円
中・高・大学生 800円



山﨑鈴子の作品が展示されている
新生堂(しんせいどう)
東京都港区南青山5-4-30



■関連書籍

名画は語る
千住 博
キノブックス
2015-01-31



 

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